〜初心者でも安全にエントリー・エグジットできる波の見極め方〜

「今日はちょっと波があるな…」

そんなとき、エントリー前からドキドキしてしまう方も多いと思います。特にダイビング初心者にとって、波のある日の海への入り方や上がり方は不安の種ですよね。

でも安心してください。波の仕組みとタイミングを正しく理解し、ちょっとしたコツを身につけておくだけで、誰でも安全にエントリー・エグジットができるようになります。

私自身、これまで35年間、世界中の海を潜ってきた経験の中で、何度もこんな状況に出会いました。

エントリー時はベタ凪だったのに、30分後には急に波が立ち始めて荒れてきた。

そういう時こそ、「入るとき」だけでなく、「上がるとき」までイメージしておくことがとても大切なんです。

◆ 波が強い日のエントリー方法:まずは波の仕組みを知ろう

波の正体は、沖合で風が吹き、そのエネルギーが水面を揺らすことで生まれます。

わかりやすく言えば、洗面器に水を張って、口でフーッと吹いてみてください。水面がバシャバシャ揺れますよね?あれが“波のはじまり”です。

そのバシャバシャした小さな波が、何度も重なりながら時間をかけて岸に届くことで、「セットの波」と呼ばれる大きなうねりになります。

サーファーの方たちがよく使う「セットの波」とは、小さな波が何回か来た後に、ドカンと2〜3発、大きな波が連続して押し寄せる現象のことです。

このあと、一瞬だけ海が静かになるタイミングがあります。

これがまさに、エントリーのベストタイミング!

さらに、大きな波が岸に打ち寄せたあとの戻り波(引き波)の流れをうまく使えば、楽に沖へ出ることができます。

◆ 焦りは禁物!波のあるときにやってはいけないこと

波があると、「早く入っちゃおう!」という焦りが出てくるかもしれません。

でも、ここで慌てて入ってしまうと、波に押し戻されたり、転んだり、フィンが脱げたりと、トラブルになりやすいです。

しっかり波のリズムを観察して、落ち着いたタイミングを見極めてから動くことが大切です。

◆ 波がある日の安全なエグジット方法

海から上がるときも、波の観察は欠かせません。

波が砕ける場所、つまり**「ブレイクポイント」**は、海底の地形によって決まります。浅くなるところでは、波が急に崩れて大きな力を生み出します。

特に、足がつくかつかないかくらいの水深では、砕けた波のパワーに巻き込まれる可能性が高くなります。

石やゴロタが多いエリアでは、転倒やケガのリスクもあるので、「ドカンドカン」と波が来ているときは無理に進まないこと。

そして、海が静かになった一瞬を見極めて、一気に浅瀬へ向かって進む。これが安全なエグジットのコツです。

◆ ストラップタイプのフィンは心強い味方!脱ぐ練習はしておこう

波があるときのエグジットでは、フィンを履いたまま上がるか、途中で脱いで上がるか迷う方も多いと思います。

おすすめは、ストラップ(スラップ)タイプのフィンを素早く脱いで手に持って上がる方法です。

石がゴロゴロした浜では、フィンを履いたままだととても歩きづらく、転倒のリスクも高まります。

ただし、ここでひとつポイントがあります。

フィンを脱ぐスピードが遅いと、せっかくの「波が静まったタイミング」を逃してしまうんです。

ですから、フィン脱着の練習はとても大切。

実際、慣れた方なら両足で5秒以内。私は片足1秒、両足で2秒で脱げます。

このスピード感があるだけで、エグジット時の安全性がぐっと上がるんです。

「どうしても脱ぐのに時間がかかってしまう…」

そんな方はぜひ一度ご相談ください。

ちょっとしたコツと練習で、驚くほどスムーズに脱げるようになります!

◆ レスキューダイバーコースで身につく「自分を守る力」

今回ご紹介した内容の多くは、PADIレスキューダイバーコースの中でも繰り返し練習します。

「レスキュー」と聞くと他人を助けるコースというイメージがあるかもしれませんが、実は“自分自身を助けるスキル”をしっかり身につけるコースでもあるんです。

特に海外でのダイビングでは、日本と文化や考え方が異なる点に注意が必要です。

たとえば、外国人ダイバーは“自分の安全は自分で守る”という意識が非常に強く、早い段階からレスキュースキルを身につけています。

そのため、外国人のガイドやインストラクターは、日本人のように細かくケアをしてくれるとは限らず、「セルフで行動できること」が前提になっていることが多いのです。

もしその雰囲気を知らずに海外でダイビングをすると、万が一のトラブル時に対応できず、重大な事故につながることもあります。

だからこそ、自分の安全を自分で守る力を身につけることが非常に重要。

レスキューダイバーコースは、アドバンスライセンスを取得した翌日からでも受講可能です。

ぜひ、できるだけ早い段階でチャレンジしてみましょう!

◆ まとめ:波を見て、落ち着いて行動することが何より大事

波のある日のダイビングでは、焦らず、よく観察し、的確なタイミングで行動することが最大の安全対策です。

こうした判断力や観察力、そして自分を守る力は、経験を重ねることで自然と身についていきます。

ブルーマリン大和では、波のある日のエントリー・エグジット練習やレスキューダイバーコースも丁寧にサポートしています。

初心者の方でも安心して海に入れるよう、しっかりお手伝いしますので、ぜひ気軽にお声かけください。

📍神奈川県大和市のダイビングスクール ブルーマリン大和

📞 お問い合わせ:050-3707-7836

投稿者 PADI マスターインストラクター吉野

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