横須賀・相模湾でダイビング!黒潮の影響で水温27度、透明度抜群の夏の海
今日は関東も涼しく、過ごしやすい陽気となりました。
そんな中、神奈川県・相模湾側の横須賀沖でダイビングをしてきました。
最近、黒潮の流れが非常に活発で、海の中に大きな変化が起きています。
この日の水温はなんと27〜28度。
例年この時期は21〜22度程度なので、今年は異例の高水温となっています。
黒潮と高水温が運んできた“珊瑚の卵”たち
黒潮の流入と、それに伴う相模湾の高水温によって、
**沖縄など南方の海で産まれたサンゴの卵(稚仔)**がこの海域まで流れ着き、定着する可能性が出てきました。
実際、真鶴や江ノ島のダイビングポイントでは、
これまで見られなかった枝状サンゴの定着が確認されはじめています。
従来のテーブルサンゴに加え、より熱帯性の強いサンゴ種が姿を見せているのは、
非常に興味深いと同時に、正直なところ“恐怖”も感じています。
ダイバーとして、透明度の高い美しい海に潜れることは本当にありがたいことです。
しかし同時に、生態系が大きく変わっていく現実、
そしてそれを引き起こしているであろう気候変動の進行を目の当たりにすると、
海の未来に対して不安を抱かずにはいられません。
この先、どんな変化が起きるのか──
海の中から、地球の異変を感じ取っているような、そんな感覚です。
透明度は今シーズン最高レベル!
さらに注目すべきは、今年の海の透明度の高さです。
横須賀沖では10メートル以上の視界が確保できる日もあり、
クリアで青く澄んだ“黒潮ブルー”の世界が広がっています。
この海に潜れること自体は、本当に幸運だと感じます。
関東の海でも感じる“南国の気配”
- 黒潮の影響で水温が急上昇
- 沖縄から流れ着いたサンゴの稚仔が相模湾で定着
- 枝サンゴの出現と生態系の変化
- 真鶴・江ノ島・横須賀でのダイビングに新たな魅力
ダイバーの皆さんへ
この夏の相模湾は、例年にないほど水温が高く、透明度も非常に良い状態が続いています。
すでに**南方系の魚やサンゴの稚仔(ちし)**が数多く確認されており、
まるで南国の海のような光景が広がっています。
一見すると「潜るには最高のコンディション」と感じてしまいますが、
この現象は地球温暖化がもたらした異常な環境変化です。
本来この時期、この場所では見られない生物が現れ、
海の生態系が静かに、しかし確実に変わりつつあるのです。
私たちダイバーは、美しい海の裏側で起きているこの異変を、
もっと深く受け止めなければならない時期に来ているのかもしれません。
だからこそ今、多くの人にこの“現場”を自分の目で見て感じてほしいと思います。
「温暖化」とはニュースや数字の話ではなく、
すでに目の前の海で進行している“現実”なのだということを、感じ取っていただきたいのです。
この変化を目にしたとき、
「ただきれいだった」で終わらせるのではなく、
未来の海をどう守っていくか、私たち一人ひとりが考えるきっかけになればと願っています。
投稿者 ブルーマリン大和 ダイビングインストラクター 吉野康弘