【初心者からプロまで】ダイビング器材の点検・洗浄・カビ対策の徹底解説
ダイビング機材の点検と正しい洗浄方法のおすすめ
ダイビング機材は、海水という非常に過酷な環境で使用されます。海水中の塩分は金属表面に付着すると、周囲の水分をどんどん吸着し、やがて金属の腐食(サビ)を引き起こします。そのため、レギュレーターやBC(BCD)などのダイビング器材には、サビに強いステンレスや真鍮といった素材が多く使われています。
ダイビング後に器材を真水で洗うのは、付着した塩分を落とすためです。理想的には漬け込み洗いがオススメです。しかし、どれだけしっかり洗っても、水圧によって部品内部まで入り込んだ海水の塩分は完全には落としきれません。
特に夏場は、この残った塩分が乾燥して結晶化し、食卓塩と同じような粒になります。この塩の粒が部品と部品の間に挟まると、作動不良や固着の原因になります。レギュレーターやBCの部品は精密に作られており、金属同士の隙間に塩が入り込むと、まるで瞬間接着剤で固定したように固まってしまうのです。
よくあるトラブル事例
- レギュレーターをタンクに接続した際に発生するフリーフロー(空気が出っぱなしになる現象)
- ホース接続部からの空気漏れ(リーク)
- BCのインフレーター吸気ボタンが押しっぱなしになり、水中で勝手に空気が入ってしまう危険な状態
トラブルを防ぐ日常メンテナンス方法
ダイビングに行く日が決まったら、器材の点検も兼ねてぬるま湯による洗浄を行うと効果的です。例えば、BCDの各ボタンにぬるま湯をかけながら何度も押す、レギュレーターの吸気部分にホースを当ててお湯を流すなどです。これにより、固着や塩の結晶による不具合を防げます。
レギュレーター内部の意外な汚れ
意外と見落とされがちなのがレギュレーター内部の唾液汚れです。唾液には粘液成分が多く含まれており、内部にこびりつくと真水での洗浄では落ちにくく、徐々に堆積していきます。唾液には栄養分も含まれるため、放置するとカビや雑菌の繁殖につながります。考えるだけでも不快ですし、衛生面からも危険です。
ダイビング終了後は現場で真水洗浄を行った後、帰宅してから中性洗剤を溶かしたぬるま湯をバケツに用意し、レギュレーターをしばらく漬け込むことをおすすめします。これにより、唾液や汚れが効果的に除去されます。
マスクの曇り止めとカビ対策
マスクの曇り止めを唾液で行う方は、マスクも同様に中性洗剤を溶かしたぬるま湯に漬け込みましょう。カビで真っ黒になったマスクは見た目が不快なだけでなく、呼吸器系の病気や皮膚トラブルの原因にもなります。
まとめ
ダイビング機材の寿命を延ばし、安全に潜るためには、ダイビング器材の定期点検と正しい洗浄方法が欠かせません。特にレギュレーターやBCDなど命に関わる重要機材は、日常的なメンテナンスと定期的なオーバーホールを心がけましょう。