ダイブコンピューターは本当に必要?その重要性と安全性をインストラクターが解説

ダイビングは、今や誰でも楽しめる人気のレクリエーションスポーツになっています。

しかし、忘れてはいけないのは、水中という特別な環境に入るということは、実はとても過酷な挑戦だということです。

私はよくこう言います。
「水中での活動は、空気のない月面に行くのと同じくらい特別なこと。」

月に行くためにはロケットや宇宙服といった大規模な準備が必要ですが、海の場合は車やバスで簡単にアクセスできます。
しかし、海の中も決して“普通の場所”ではありません。水中は高い水圧とガスの影響を受ける特殊な世界であり、そこで私たちを守ってくれるのが、進化したダイビング器材とダイブコンピューターなのです。


なぜダイブコンピューターが必要なのか?その理由を徹底解説

学科講習で学んだとおり、海に潜ると水圧がかかります。
この水圧は陸上で生活する私たちにとって全く異なる環境であり、人間の体はその世界に自然に適応できません。

そこで必要なのが窒素管理です。
ダイビング中、人間の体には窒素が溶け込み、浮上する際にはそれを安全に排出しなければなりません。
この計算を正確かつ瞬時に行うのが、ダイブコンピューターです。

ダイブコンピューターは、潜水時間・水深・窒素の蓄積状況・浮上スピードなどをリアルタイムで計算し、減圧症のリスクを回避するためのガイドをしてくれます。
つまり、これは単なる便利な機械ではなく、命を守るための最重要装備なのです。


「まだ必要ない」と思っていませんか?それ、非常に危険です

長年インストラクターをしていてよく聞く言葉があります。
「まだビギナーだし、そこまで深く潜らないからダイブコンピューターはいらないよ。」
「値段が高いし、レンタルで十分でしょ?」

しかし、これは非常に危険な考え方です。
減圧症はベテランにも初心者にも関係なく起こるリスクですし、トラブルは「浅場だから大丈夫」と油断したときに起こります。
欧米ではダイブコンピューターの携行はほぼ100%で、必須装備として認識されています。
それに対して、日本ではまだ意識が低く、レンタルで済ませるダイバーが多いのが現状です。


ダイブコンピューターの使い方は難しい?そんな心配はいりません

「操作が複雑そうで不安」という声もよく聞きます。
確かに、ダイブコンピューターは安全のために多機能なので、最初は戸惑うかもしれません。
でも安心してください。購入した方には、インストラクターが初期設定から実際の使い方まで丁寧に説明します。
潜水前のチェック、減圧不要限界(NDL)の見方、浮上スピードの管理など、実際のダイビングを想定してレクチャーするので、初めての方でも安心して使えます。

さらに、ダイブコンピューターは水圧を自動で感知し、水深や潜水時間を自動的に測定してくれるので、基本的には画面を見るだけでOKです。
どこを見ればよいのか、どう活用すれば安全なのかは、しっかりインストラクターがサポートします。


ダイブコンピューターはこうして開発された

現在のダイブコンピューターの安全性は、膨大な人体データと科学的検証に基づいています。
人種、性別、年齢、潜水深度、潜水時間など、あらゆる条件をもとにシミュレーションされ、窒素の吸収スピードや排泄のプロセスを徹底的に解析。
「この深さでこの時間潜ると、どれだけ窒素が溜まるのか」
「どのスピードで浮上すれば気泡化しないか」
こうしたデータに基づいてアルゴリズムが組まれています。

つまり、人間が安全に海に潜るためには、このコンピューターのサポートが絶対に必要なのです。


まとめ:ダイブコンピューターは“保険”ではなく“必須装備”

ダイブコンピューターを持つことは、贅沢でもオプションでもありません。
それは、あなたの命を守るための標準装備です。
ダイビングは本来、安全に楽しめる素晴らしいスポーツですが、その安全を守るのは正しい知識と適切な機材です。

まだお持ちでない方は、ぜひダイブコンピューターの重要性を理解して、安全なダイビングライフを楽しんでください。

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